2022/06/24 17:50
大阪平野にある実店舗【Ludens】には毎日焼きたてのカヌレをお召し上がりになるために皆様に足を運んでいただいています。
ありがたいことに店内の雰囲気も少しずつ整い始め、今僕は【この店はどこへ向かうのか】をあらためて考え始めています。
お店を開く上でよくある【食で幸せを】とか【地域密着】とか【笑顔のために】とかという高尚な考えは僕にはありません。
このお店も僕がやりたくてやっているわけで、そこで何かを与えられるとは思っていませんでしたが、
店内で過ごしている方を見ると少しずつ【僕が提供できるもの】がわかってきたような気がします。
Ludensでは一貫した目標がありません。
一貫したメニューもなければ一貫した考えもありません。
あるといえば【その都度変わっていく】という考えだけ。
きっとここでは【なんかこんな感じがいいよね】という雰囲気を皆様に味わってもらえればと思っています。
なんやかんやここに来てしまう。
こんな食器がかわいいよね。
雑貨など置いていないけれども、生活の一部に少しだけ入り込んだ雰囲気がLudensにとっての向かう道なような気がしてきました。
メニューに幅を持たせていないのも、焼き菓子がカヌレしかないのも、きっとそれらが雰囲気という感じて欲しいものの添え物だからなのかもしれません。
空間なんてカッコいい言い方はできません。
漸進な料理でもありません。
でもきっと小さい店だからできる【距離感】であったり、【時間の流れ】が当店には作れると思っています。
情報化社会で様々な意見に触れる機会が多く雑音が多い今の社会で、ちょこっと座って電子機器をテーブルの隅に置いてちらっと窓の外を見るだけで
【あぁー最近こんなゆっくりしてなかったなぁ】と思える店がいいのかなと思います。
当店は流行が分かりません。
カヌレを出していますが、世間で流行っていることに最近気がつき、ちょっと嫌な気すらしています。
流行りが終わってもカヌレを続けます。
フィナンシェも焼き続けます。
周りと競い合うことも基本しないし、SNSで多くのフォロワーがつくような店でも仕掛けでもありません。
残念ながら一生流行らないお店だと思います。
でも【なんかいいな】の多くはそんな店です。
そんな店の在り方を今考えています。