Ludens Osaka

2022/11/18 19:39


日々思います。

・焼き菓子は作って終わりじゃない。

お菓子は焼く過程や生地を作る工程を意識するのはもちろんだけど、出来上がった後の【状態】にも意識を向けて初めて美味しさの全てを語れると思っています。

当店では本当に突然の決定ではありますが、冬の間店頭で朝焼いているカヌレにおいて
15:00以降のお渡しを変更いたします。

まず理由。

店内は音楽の音量、リズム、店内の気温を食べている料理や皆様の気分高揚のために店主がDJチックに都度変更しています。

冬場であれば店内に入った時は暖かく、メインを待つに連れエアコンの運動を落とし温度を体内から調整していただくと言うスタイルにしています。

僕は料理以外でもこのようなことに気を配ることで、わざわざこの【くそ田舎の平野】に来て下さる皆様へ少しでもほっとしていただけるような空間を作りたいと思っていますが、冬場の店内の気温上昇により当店の湿度は著しく上がります。

店内で毎朝16個だけ焼き上げるカヌレは焼きたてから1時間ほどして表面のキャラメル化が整い、そこから数時間が最高においしい状態を提供できるタイミングだと思っています。

一度封を開けたキャラメルポップコーンが翌日には湿気ているように、砂糖によるキャラメル化は室内の湿度に比例して美味しさを失っていきます。

夏場は冷房が効いているため室内が乾燥し、表面のカリカリが持続する時間が長かったので今までと同じで良かったのですが、
冬場は表面が湿気る時間も速くなってきていると最近認識しています。

僕の作るカヌレは多くの皆様に(今まで食べたものの中で1番)とおっしゃっていただく事が本当に多いです。

ここに関しては別のブログでこの正体をお知らせしていますが、本当においしいものは(当たり前のことを当たり前にやる)と言う行動面のほかに、(そんなに美味しさは長く続くものでは無い)と言う物理面も存在しているのも事実です。

冬は当店の室内の湿度が比較的高くなります。
暖かく過ごしやすい環境は人間だけで、カヌレからしたら顔が濡れたアンパンマン状態をゆっくりと味わっている状況です。

2022年11月18日に既にいただきましたこれ以降のご予約に関しましては15時以降もカヌレのお渡しをいたしますが、
これからご予約をいただく方においてはカヌレについて次のご提案に切り替えたいと思います。

・カヌレの購入は当面の間ご予約のみに限らせていただきます。
・カヌレの購入に対するご予約はランチの予約の有無に関係はありません。
・当日焼きのカヌレの受け渡しは基本的に14時まででお願いいたします。
・ご予約済みで15時以降にお受け渡しをご希望される際は【当日瞬間冷凍のカヌレ】をお勧めしています。



大まかにいうとこんな感じです。
当面の間カヌレは【ふらっと】買えるものではなくなります。
ご予約という形にて不便を強要させてしまうことは理解していますが、【渡せればどんな状態でもいい】という無責任な姿勢をとりたくないためです。

美味しさを封じる【当日焼き瞬間冷凍のカヌレ】に関してはこちらからその実態を確認いただけます。

皆様からするとカヌレが買いづらく手に入らない状態を感じさせてしまうかもしれません。

しかしながら僕が考える(本当においしいカヌレを食べてもらいたい)と言う気持ちに対して、【もっとたくさん作ってもっと長い時間ご提供する】と言うのは状態を考えたら完全に矛盾です。

カヌレ1個はたった400円程度のものです。
しかしながら400円いただくのであればそれ相応の楽しみを、正しさを示すのがこちらの姿勢だと考えています。
今後除湿機等を導入したいも考えてはいますが現実的であれば対応いたします。

僕は(今までで食べたカヌレの中で1番)と言っていただける状況が本来良くないと思っています。

それは僕が褒められているのではなく、単純に身の回りに溢れているカヌレのレベルが低いと言うことです。

それを知っていただくためには多くの方に召し上がっていただくのが筋なのかもしれませんが、僕が作れる個数、僕が作れるおいしさの時間には限度があります。

なので今後は(多くの方に知ってもらいたい)なんて無責任な事は言いません。

正解を知るか知らないかは当人の自由です。

知りたい方はお手数かと思いますがご予約の上足を運んでいただければ、今までのおいしさを覆す準備をこちらが完璧にご用意いたします。

楽しさやおいしさは簡単に手に入らないし、簡単に届けることができません。
自分の力不足を再度認識し、できることからやっていきます。

またこの場において同業者の皆様へお伝えしたいことがございます。
僕の本当の目的はふにゃふにゃでおいしくないカヌレを(おいしくない)と認識してもらうことが1番です。

その目的を果たすためには(僕の)カヌレをたくさんの人に届ける。が最適解ではございません。

当店は数学的なカヌレの日の入れ方やレシピは一切秘密にしていません。
どうしてもうまく作れない、なんで失敗するのかわからないと言った疑問は僕も通っています。

広めれる方がいらっしゃったらお話ししてきたら嬉しいです。